健康コラム

薬の話 その8

2018年 9月 26日
 以前のこの欄にも記したことですが、ほとんどの薬は体にとって異物です。薬は薬としての作用(薬理作用)がある一方、有害な副作用を併せ持つものだということを、しっかり認識しておくことが大切です。クスリはリスクの裏返しということです。両刃の剣とも言えるでしょう。高齢者では危険な副作用が生じやすく、特に注意が必要です。
薬の話 その8

 齢を取ると認知症の人が増えますが、薬のせいで一見認知症と見まがう症状を示す高齢者が少なくありません。原因となる薬は、抗ヒスタミン薬、抗不整脈薬、ループ利尿薬、ジギタリス、オピオイド、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド、抗菌薬、抗ウイルス薬・・・と、挙げればキリがないほどです。
 便秘に用いる酸化マグネシウムや、神経痛に広く使われているプレガバリンとかトラマドール・アセトアミノフェン配合剤も高齢者をポーッとさせやすく、認知症と間違われることがあります。ベンゾジアゼピン系睡眠薬を飲んだ後、頭がポーッとしてふらついて倒れ、大腿骨頚部骨折を起こして寝たきりになった高齢女性、骨粗鬆症でカルシウム剤を飲んだ結果、高カルシウム血症を生じて食欲がなくなった人、強心剤のジゴキシンや、アルツハイマー病に用いるドネぺジルで食欲不振・悪心・嘔吐を起こした人、H2ブロッカーでせん妄状態jに陥った胃病の人、抗コリン作用を示す総合感冒薬、抗アレルギー薬、抗パーキンソン薬、抗うつ薬などを飲んで尿が出にくくなった人など実に様々。薬は医師の指示通り正しく用いること。自己判断は禁物です。