健康コラム

薬の話 その5

2018年 8月 31日
 抗生物質などの抗菌薬が効かない耐性菌が広がると大変です。耐性菌を生み出さないためには、国民一人ひとりが抗菌薬を適切に使うことが大切です。そのためにするべきことは、当たり前のことなのですが、まず風邪など抗菌薬が効かない感染症に抗菌薬を用いないこと、医師に抗菌薬の処方を強いて求めないこと、そして薬の用量と、服用する時間・回数・期間を、医師の指示通り守ることです。

 以前に病院で貰った薬が余っているからと、手軽に飲んだり、家族が飲み残した薬を、症状が似ているからといって、気安く用いるのはよくありません。以前に自分や家族が罹った病気に用いた薬が、今の自分の病気に効くとは限らないからです。

薬の話 その5

 飲んだ薬は胃腸から血液中に移行します。抗菌薬は血液中の濃度が一定以上(最小抑制濃度以上)でないと、病原菌の増殖は抑えられません。これを抗菌作用の「濃度依存性」と呼びます。しかし濃度が高すぎても副作用が出る恐れがあります。だから血中濃度が適当な範囲に収まるように抗菌薬の用量が決められているのです。
 ほとんどの薬は本来、体にとって異物ですから、異物処理の役目を担う腎臓や肝臓から体外に排泄されます。だから時間とともに薬の血中濃度は下がります。血中濃度が最小抑制濃度を下回ると、薬が効かない空白時間ができてしまいます。これが抗菌作用の「時間依存性」です。このため最小抑制濃度を下回らないよう、薬袋には「朝夕2回服用」とか「6時間ごとに服用」などの指示が記されているのです。