健康コラム

無理する2本足

2017年 12月 25日
 陸上動物は概ね4本足です。太古の原始魚類から長い年月をかけて、胸ビレ一対が前足2本に、腹ビレ一対が後ろ足2本に進化して4本足になり、陸上で暮らせるようになったのが、多くの両生類と哺乳類です。ところが人間は珍しく2本足。カメラの三脚や鼎(かなえ)を見ても分かるように、物体を安定して支えるには3本以上の足が必要です。どうして人間は不安定な2本足で体を支えることになったのでしょう。
無理する2本足


 答えは簡単。前足2本が自在に細やかに動ける両手に変化したからです。一方、脳は進化の過程で、両手に思う通り動くよう指示命令できる能力を獲得し、かくして考える脳と動く手は二人三脚で色んな道具を作り出し、それらを巧みに操作できるようになり、そのお蔭で文明が発達したわけです。
 つまり人間は手を巧みに動かすために、体の安定性を犠牲にして、無理して2本足で立って歩くようになったと言えるでしょう。無理しているので、そのしわ寄せが体に現れるのは、云わば当たり前。生まれてから立てるようになるまで1年もかかるのは、動物の中で人間だけですし、腰痛に悩まされる人が多いのも、他の動物なら前足で支えるはずの上半身の体重も2本足で支えて歩き、2本足の負担が大きいからです。厚労省の統計では、職業病の半分以上は腰痛ですし、これによる労災認定が多いのも、腰に2本足のしわ寄せが来ているからです。では次回は腰痛の防ぎ方を。