健康コラム

タバコにまつわる話 その3

2017年 9月 4日
福沢諭吉のような偉い人でも、一旦タバコの味を覚えると、生涯タバコを手放せませんでした。福翁に限らず多くの人格者が健康に良くないと知りながら、なぜタバコが欲しくて仕方がなくなるのでしょう。重い病気に罹っても、なお止められない人もいます。
その訳は、その人の脳はニコチンが切れるとまともに働けなくなってしまっていて、そのイライラや不安感は、一服吸ってやっと吸わない人と同じ程度に落ち着くからだと考えられています。
ニコチンが脳に入ると、神経伝達物質、ドーパミンが産生されます。ドーパミンは脳の奥にある側坐核を刺激して、これで気分が良くなり、もっと欲しくなります。これを繰り返すうちに、タバコを吸わないと気分は良くならず、イライラが募ります。
そう言えば、肺気腫を患った私の父はタバコが切れると、よく灰皿の吸い殻を探りましたし、心房細動で急死した親友は、生前、友人に「済まんが一本」とせがんだりしていました。
タバコにまつわる話 その3


決心して禁煙に成功すると、脳のニコチン渇望は比較的早く収まりますが、その後に燻ぶる問題は、心に居座る「タバコが懐かしい」記憶です。禁煙を続けられなかった人は、「朝の一本が美味かった」、「食事の後、つい手を出して・・・」などと言ったりします。この記憶を絶つこと、これが肝心です。
別れた恋人に恋々、悶々としていたが、結婚したと聞いて吹っ切れた・・・こんな気持ちをタバコにも応用できないものでしょうか。