健康コラム

伊能忠敬

2017年 6月 27日
 車や電車や高速道路もなかった江戸時代、日本中を歩いて日本地図「大日本沿海輿地全図」を完成した人、伊能忠敬。
平均寿命が30歳台だった時代に、地図作りを目指して歩き始めたのは既に隠居の身、55歳でした。それから17年間も、10回にわたって北海道から九州まで測量行脚を続け、歩いた距離はなんと地球一周相当のほぼ4万㌔。日に40㌔以上も急いで歩くこともあったそうですからびっくりです。
 若い頃の伊能は、むしろ虚弱体質だったそうです。それなのに、「古稀」と呼ばれる70歳を超えて74歳まで生きた理由の一つは、「歩く力」だったと考えられます。
歳を取るにつれ歩く力は衰えます。お年寄りは大抵ゆっくり歩きますね。歩く力は歩く距離よりむしろ速さによく表れます。肝心なことは、早く歩く人は遅い人より概して長生きするという事実。これは疫学調査で明らかされています。
伊能忠敬

 

 或る調査によると、65歳の人では、1秒間に1.6㍍(1分間に凡そ100㍍)の速さで歩く人の予測余命、即ちその後の推定生存年数は男性で平均約32年、女性で41年。これに対し1.1㍍の人はそれぞれ約20年と27年。そして1秒に0.2㍍の超スローペースの人は、それぞれ約8年と13年。それほど大きな差があるのです。
 平均年齢が今の半分以下だった時代に、74歳まで生きた伊能忠敬がもし今の時代に生きたとすれば、120歳以上の超長寿者になったかも知れません。