健康コラム

花粉症 その3

2017年 3月 14日
 前回、幼い頃に非衛生的な環境に育つと、アレルギー症に対する免疫力が高まるようだ、と書きました。これは「衛生仮説」と呼ばれています。壁や床を牛の糞で塗り固めた家が多いインドでは、花粉症などアレルギー症の人は稀だそうです。胃がんを起こす恐れがあるピロリ菌に感染した人は、アレルギー症に罹りにくいとも云われます。
 体に侵入した有害物を排除して病気を防ぐ体の仕組みを免疫と云います。この主役はヘルパー(助っ人)Tというリンパ球で、これには感染症を抑えるTh1と、アレルギーを起こすTh2とがあり、両者は互いにけん制し合っています。つまりTh1の活力が強いとTh2の働きが弱まり、逆にTh2が活発だとTh1が抑えられるという仕組みです。
花粉症 その3

 幼い頃はTh2が優勢ですが、細菌や寄生虫などの外敵の刺激を受けるとTh1が力を付け、両者のバランスが取れるようになります。幼い頃に外敵に曝されると、適度にTh2が抑えられますが、外敵が少ない清潔な環境に育つと、Th1の活動する機会が少なくてTh2優位のままの状態が続き、アレルギー症が出やすくなるわけです。
 寄生虫症や細菌感染症が減ったのと入れ替わりに、花粉症が増えたのはこのせいらしいのです。
日本人はきれい好きで有名です。用便後にお尻をノズルの噴水で洗浄するのは良いとして、ウンチの臭いを消す薬まで常用する人がいます。行き過ぎた潔癖症が花粉症やアトピーや喘息を増やしているのかも知れません。何事もバランスが肝心ですね。