健康コラム

花粉症 その2

2017年 2月 28日
 スギ花粉が飛ぶ季節がもう目の前。花粉症の人にとっては、うららかな春も鬱陶しい季節でしょう。花粉症は昔にはなく、割に新しい病気です。記録によると、日本で初めてのスギ花粉症患者は日光市に住む男性でした。1963年のことです。
 長さ37㌔の日光街道に、1万3千本もの杉が植えられたのは17世紀前半、徳川三代将軍家光の頃でした。それ以来4世紀近く、日光市はもとより日本中でスギ花粉症はありませんでした。ところが戦後、荒れた山野を緑化し木材の供給を増やそうと、国中で杉の植林が進められました。そして今や国民の6~7人がスギ花粉症。わずか半世紀余りの間に、です。
花粉症 その2

 かつて多くの日本人の腸には回虫や蟯虫などの寄生虫が居りました。寄生虫卵が混じった人糞を野菜畑の肥料に使っていたため、卵が付いた野菜を食べて腸の中で寄生虫が育ち、その寄生虫がまた卵を産んで…という具合に寄生虫が人から人へと蔓延していたわけです。
 ところがその後、化学肥料が人糞に代わり、寄生虫病は急減しました。代わって激増したのが花粉症。花粉症などのアレルギー症は一般に衛生的な環境に住む人たちに多いことが知られています。アレルギー症に罹る率は一般に農村より都会で、途上国より先進国で高いのです。兄弟姉妹が多いほど、そして末っ子ほど喘息や湿疹などのアレルギー症に罹りにくい傾向があります。幼い頃に細菌や寄生虫の多い非衛生的な環境に育つと、アレルギー症に対する免疫力が高まるようです。では一体なぜ? そのわけは次回に譲ります。