健康コラム

「熱中症」 その2

2016年 8月 10日
 健康な人の体温は人によって多少の違いはあるものの、体表面の温度はほぼ36度台に、体内温度(深部温度、直腸温度)は37℃台に厳密に調節されていて、これから外れると病気です。高温環境では、自律神経の働きで皮下の毛細血管が拡張し、余分な体熱を外気に放散します。同時に汗が沢山出て、汗が蒸発する際の気化熱で体を冷やし、体温上昇を防ぎます。

 ところが、皮下の毛細血管が拡張して、その中を流れる血液が増えると、その分、
体内の臓器が血液不足(虚血)に陥ります。胃壁を流れる血液が減ると、食欲減退、吐き気、嘔吐が起きやすくなりますし、肝臓や腎臓を流れる血液が足りなくなると肝臓や腎臓の障害が生じます。脳の血流量が少なくなると、頭痛、目まいや立ちくらみ、ひどくなると意識を失います。熱中症は急性の全身病なのです。

「熱中症」 その2

 
 気温が高いうえに風がなく、湿度が高くて汗が蒸発しにくいとか、保護服など厚い作業衣で仕事を続けたり、強い運動で体熱産生が高まって体内に熱が籠ると、虚血や汗からの塩分喪失で、臓器や筋肉が障害されますが、特に怖いのは脳のダメージです。暑熱環境で疲労感が強く、頭痛やめまいがあれば熱中症の始まりを疑うべきですし、挙動が普通でなく、呼びかけてもまともに応えないようなら、もっと大変。そして、自分で水を飲めないとなるともう自力回復は無理! 直ちに救急対応が必要です。