健康コラム

休養、その5  「笑い」のつづき

2016年 6月 29日
 笑いが病気の治療に有効だ、と自らの体験を踏まえて最初に報告したのはノーマン・カズンズさんというアメリカ人。1979年のことでした。カズンズさんは500人に1人しか治らないという難病、強直性脊椎炎に罹りましたが、治療に笑いを取り入れ、数か月後には奇跡的に復職できるまでに回復しました。この報告があってから、楽しく笑うと病気の痛みが確かに和らぐという数々の事実が明らかになってきました。
休養、その5  「笑い」のつづき

 

 例えば、関節リウマチの専門医、日本医大の吉野慎一教授の実験。教授は或る時、病院内に紅白の幕で囲んだ寄席を作り、「笑点」の常連、林家木久蔵さんを呼んで、リウマチがかなり進行した患者26人に落語を聞かせて1時間、ワッハッハッと笑ってもらいました。リウマチでは関節痛の原因となるインターロイキン6の血中濃度が健康人の5から10倍にもなりますが、1時間笑ってもらっただけで、この濃度が半分以下に落ちたそうです。みな痛みが軽くなって、それからしばらく鎮痛剤なしで過ごせた患者もいたということです。教授によると、「人間、笑えるうちは大丈夫」だとか。
 インターロイキン6は、全身麻酔をかけても血中濃度が下がります。つまり楽しく笑うのは麻酔と同じ鎮痛効果があるということになります。この話がアメリカのリウマチ学会誌に写真入りで大きく紹介されました。笑うことで、どうしてこんなに効いたのか、不思議ですね。木久蔵という名だったから、というオチもありますが…。