健康コラム

便失禁

2019年 2月 1日
思わずパンツを便で汚して秘かに後始末、といった人は案外多く、全国で推定500万人もが、意思に反して便が漏れる「便失禁」に悩んでいるそうです。これには気付かずに便が漏れる「漏出性」と、便意を我慢できずトイレに間に合わない「切迫性」とがあります。漏出性がほぼ半数、両方ともが3割余り、残りが切迫性という内訳です。
肛門を締めたり緩めたりする肛門括約筋の加齢などによる衰えが一般的な原因ですが、分娩時の括約筋の損傷とか、外傷や腫瘍による脊髄障害などでも起こります。肛門括約筋は自分の意思では動かせない内肛門括約筋と、動かせる外肛門括約筋の2層構造で、前者の衰えは漏出性便失禁を、後者は切迫性便失禁を起こします。
便失禁

便失禁の7割は、便を残さず出し切るために便の水分を吸収して切れを良くする薬や筋トレ(骨盤底筋訓練)で良くなります。筋トレは「力いっぱい肛門を5秒締める→力半分で10~15秒締める→素早く締め、直ぐに緩める」という、人に気付かれずにどこでもできる運動。これを各10回、計30回で1セット、1日に5セット行います。
これでダメなら、腰に埋め込んだ装置で神経を電気刺激する「仙骨神経刺激療法」や、専用の器具でぬるま湯300~1,000㍉・㍑を肛門から直腸に入れて溜まった便を出す「経肛門的洗腸療法」があり、脊髄障害には保険が利きます。サイト「おしりの健康.jp」(http://oshiri-kenko.jp/)では、専門の医療機関や治療法を紹介しています。